〈みるきくしる〉こだわりシネマ/フィルムセンターの映画解説
Selected cinemas

|2016.09.14

シネマの冒険 闇と音楽 2016 スウェーデン映画協会コレクション

無声映画の素晴らしさを音楽や弁士の語りとともに体験することができる特別企画「シネマの冒険 闇と音楽」。
今年は、スウェーデン映画協会(Swedish Film Institute)と相互に特集上映を開催する共催企画の一環として、
同協会が近年復元した無声映画から7本(6プログラム)を上映します。
日本に初めて紹介されたスウェーデン映画から、スウェーデンが世界に誇る無声映画史上の監督たちの作品、
ジェンダーの視点を交えた先駆的な作品や北極での活劇映画など、スウェーデン映画の豊饒な世界と
映画保存の成果を、ご堪能ください。

作品解説  小松弘(早稲田大学文学学術院教授)

■人生の春(54分・17 fps・35mm・無声・染色)
孤児の娘が、青年に助けられ美しく成長し…。

フランスのパテ・フレールがスウェーデンに設立したスウィーディッシュ・パテが製作した作品で、監督は
フランス人のポール・ガルバーニが担当。室内場面撮影はリーディンゲのスヴェンスカ・ビオ社が所有する
撮影所内で行われた。
スウェーデン無声映画史上の三大監督クレルケル、シェーストレーム、スティルレルが、揃って俳優として
出演した記念碑的な作品といえる。
また本作は大正2(1913)年、日本で初めて公開されたスウェーデン映画である。

1912(パテ・フレール)(監)ポール・ガルバーニ(原)オーギュスト・ブランシュ(脚)アブドン・ヘドマン(撮)ヴィリ・ノイマイヤー(出)イェオイ・アフ・クレルケル、セルマ・ヴィークルンド・アフ・クレルケル、ヴィクトル・シェーストレーム、アンナ・ノリエ、マウリツ・スティルレル、アストリッド・エンゲルブレヒト、ヴィクトル・アルフヴィッソン


■生戀死戀(110分・18fps・35mm・無声・染調色)
農場の女主人が過去を持つ男と激しい恋に落ち…。

原作者シグルヨンソンは、アイスランド人だが、デンマークに移住し、この映画の原作となった舞台劇も
デンマーク語で執筆した。19世紀中頃のアイスランドを舞台としたこの作品は、野外場面の魅力を存分に
出しうる映画には格好の主題を持っていた。
荒々しい自然の中に生きる人間たちの過酷な運命のドラマは、スウェーデン映画を国際的に知らしめる
役割をも果たした。

1918(スヴェンスカ・ビオ)(監・脚・出)ヴィクトル・シェーストレーム(原)ヨーハン・シグルヨンソン(脚)サム・アスク(撮)ユリウス・ヤエンソン(美)アクセル・エスベンセン(出)エディット・エラストフ、ニルス・アレーン、ヨン・エクマン


■一番強い者(106分・21fps・35mm・無声・白黒)
北極での狩猟に雇われた水夫が船長の娘と恋に落ちる。

映画カメラマンのアクセル・リンドブロムは1920年に5か月間映画カメラをもって北極を旅行し、
様々な光景を撮影した。この体験をもとに彼は「一番強い者」と題する映画用物語を構想し、それを
1923年に完成させている。1929年になって、劇部分の監督をアルフ・シェーベルイが担当して、
リンドブロムのこの企画はようやく実現された。
実写と劇が巧みに結合されたユニークな映画となっている。

1929(スヴェンスク・フィルムインドゥストリ)(監・原・脚・撮)アクセル・リンドブロム(監)アルフ・シェーベルイ(出)グン・ホルムクイスト、ヤルマール・ペーテルシュ、マリーア・レール、アンデルシュ・ヘンリクソン、ベングト・ジュルベリ

※上映作品には全てスウェーデン語インタータイトルと日本語字幕が付いています。
※特集には不完全なプリントが含まれていることがあります。
※記載した上映分数は、当日のものと多少異なることがあります。
※(監)=監督 (原)=原作 (脚)=脚本・脚色 (撮)=撮影 (美)=美術 (出)=出演


詳細WEBサイト: http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/sfi-2016-10/#section1-1

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