〈さんかする〉イベント詳細
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|2017.06.06

武田五一の建築標本 -近代を語る材料とデザイン- [LIXILギャラリー]

近代を牽引した建築家の一人・武田五一(1872-1938)は、無数の材料とデザインの集積である建築を
個々の標本として収集した人でもありました。

本展では、分野を横断して多様に集められた「建築標本」約100点を紹介しながら、五一の建築や意匠を
とらえる独特な視点とその時代性を浮彫りにします。


会期: 2017年6月8日(木)~8月26日(土) ※水曜定休

会場: LIXILギャラリー ギャラリー1

営業時間: 10:00~18:00

入場: 無料

WEBサイト: http://www1.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_003699.html

板ガラス見本
所蔵/京都大学建築学専攻
撮影:佐治康生

テラコッタ釉薬見本(伊奈製陶製)
所蔵/京都大学建築学専攻
撮影:佐治康生

見どころ:
国会議事堂の設計にも関わった武田五一は、公共建築から個人邸、社寺仏閣、墓碑、橋、公園に至る
まで生涯に多彩な建築作品を残した建築家であると同時に、教育と後人の育成にも力を注ぎました。


創設に携わった京都大学工学部建築学科やデザインを教えた京都工芸繊維大学には、五一が中心と
なって収集した多岐にわたる建築素材や金物サンプル類などが残されています。
教育資料である一方で、好奇心旺盛な五一の分類学的思考によって採集されたそれらはまさに「建築
標本」と呼ぶにふさわしく、彼がコレクターとしての側面も強く持ち合わせていたことを物語ります。

本展では、五一が教育界に携わった大正から昭和初期に収集された「建築標本」約100点を「新たなる
材料」「時代の流行」「近代的生活」「古典再考」「20世紀初頭のデザイン表現」「講義の足跡」のカテゴリー
に分けて紹介します。
また、五一が収集に関与した記録として京都大学に保管されている貴重な「備品監守簿」も展示します。
当時を牽引する建築家による業種を超えた建築デザインの標本群をご覧ください。

本展をとおして、明治の幕開けとともに近代化が始まった日本の建築意匠を象徴する多彩な材料や
技術を一望しながら、あらゆるものを貪欲に吸収していた五一の世界観を披露します。

展示構成
<新たなる材料>
五一は早くから鉄筋コンクリートの有用性に着目し、取り組んだ建築家として知られる他、ドイツ視察で
人造石を発見し、日本のメーカーに製品開発を促しました。さらに世界で板ガラスが大量生産されるように
なると同じく、装飾ガラスや色ガラス、プリズムガラスなど様々なガラスまでも収集しました。当時の新技術
に敏感だった五一の好奇心で集められた新素材を披露します。

<時代の流行>
京大には、建築の化粧材としてのタイルやテラコッタが豊富に残されています。自身の建築にも多用した
五一は「タイル使用の先駆者であり、テラコッタ導入の提唱者」とも言われています。当時の流行でもあった
スクラッチタイルや布目タイル、テラコッタなど表情豊かなマテリアルを紹介します。

<近代的生活>
市民を前にした講演で五一は「住宅は休息の場である」と定義し、そのためには暖房、換気、採光などと
合わせて衛生面での近代化が急務であると語っています。さらに住宅の保安には施錠を基本として泥棒対策
をするように促しています。水栓金具や錠前など快適で安心できる住まいのための標本類をご覧ください。

<古典再考>
京大では建築学部創設当初より過去の建築様式を正しく理解するために歴史教育も重視していました。それ
を裏付けるように、当時の学生達のノートには日本の美術工芸や建築様式について様々なスケッチが残され
ています。古建築模型や石膏模型、古瓦、建具雛形など国内外の建築史にまつわる資料を紹介します。

<20世紀初頭のデザイン表現>
五一は京大の教授になる前フランスに留学し、アールヌーボーやウィーン分離派と出会います。留学後は京都
高等工芸学校(現京都工芸繊維大学)図案科の教授となり、そこでの講義に用いるため、装飾金具などを
ヨーロッパより取り寄せました。世紀末から新世紀の幕開けを欧州で体感した五一により調達された当時の
最先端の工芸意匠をご覧ください。

<講義の足跡>
京都高等工芸学校の図案科では、蝶の標本を模写させ、翅の模様までも図化させるなど、五一は図案における
色彩を特に重要視していました。学生による色彩構成の作品や、生活空間の間取りや什器をスケッチした京大生
の受講ノート、さらには五一直筆の講義ノートも披露します。

展示にあたり、関係の皆様には多大なるご協力を賜りました。この場をかりて厚くお礼申し上げます。

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