〈さんかする〉イベントレポート
Event report

|2018.02.16

CSR女子会「CSR48」の熱き想いに迫る!(前編)


1月下旬、日本橋で「CSR48」というCSR女子が主催する勉強会が行われると聞き、取材に伺った。持続可能な社会づくりのために企業がどう寄与できるのか。会社を超えてつながる彼女たちの熱き想いは人を動かし、大きなムーブメントになりつつある。

CSR48って、いったい何者なんだ?

本記事のタイトルを見て、新たな姉妹グループの誕生か、どこぞの町の頭文字か、様々な憶測と想像を膨らませた人は少々当てが外れたように感じるかもしれない。けれど、CSR48の面々はステージには立たずとも、その明るく前向きな言動が共感を呼び、仲間を広げ、極めて多様な情報が含まれるCSRの概念の浸透を後押ししている。

CSRとは、Corporate Social Responsibility の略で、一般的には「企業の社会的責任」と訳されるが、解釈の余地が多分にある。ある人は、ボランティアや寄付活動と受け取り、ある人はコンプライアンス、またある人は環境保護と受け取る。他人事として思考が停止する人もいるだろう。そうやって固定化されたイメージは、CSRの可能性の幅を狭めることに他ならない。

企業の女性CSR担当者などで構成される「CSR48」。お察しの通り、「AKB48」にインスパイアされての命名だ。2012年3月の結成以来、「CSRをもっと身近に」感じてもらうための場をメディアとリアルの両方でつくり続けている。そこに、オンだオフだという線引きはないに等しい。彼女たちを取材して感じたのは、ありきたりな言葉だが、「社会の一員としての使命感」と「楽しみながら成果を上げる」能力の高さ。笑顔はじけるメンバーの構成から聞いていこう。

「メンバーの勤務先は、IT、ゼネコン、広告会社、ゲーム会社、メーカー、NPO法人など様々で、約80名のメンバーの大半がCSR部門に所属、他にはサステナビリティ、環境、人事といった部門で働く女性たちです。基本的にはクローズドな集まりですが、メンバーとリアルにつながるか、SNSを通してコンタクトを取ってもらい、月1回程度開催している勉強会やイベントに参加されたら研究生、2度目の参加で早くも正規メンバーに昇格です(笑)」。

2014年12月に2代目としてCSR48総監督を引き継いだリコージャパンの太田康子さん

震災復興を目指し、走り出した

周囲をぱっと明るくするような、小気味良い語り口で話してくれたのは、リコージャパン株式会社(港区・芝)の太田康子さん。経営企画事業本部・コーポレートコミュニケーション部・社会貢献推進グループ兼広報グループで、八面六臂の活躍を見せる傍ら、社外活動であるCSR48の総監督としてメンバーを引っ張る。強い責任感と使命感のなせる業だが、何か決断するためのきっかけがあったはずだ。

「東日本大震災が大きなターニングポイントだったと思います。報道で知る被災地の惨状に居ても立ってもいられず、2011年6月にボランティアとして福島県のいわき市へ。それからほぼ毎週末に現地入りして、月曜日の朝には銀座(当時)にある会社に出勤するという生活を送りました。ですが、続ければ続けるほど、個人の力の限界を感じて。そこで企業のCSR活動に可能性を見出したというわけです。CSRの基礎を学ぶ勉強会に参加したり、図書館に通って関連書籍を読んだり、自分でできることは何でもやりながら、会社に対してはCSR部門への転属希望を出し続けました。2年越しの希望が叶ったときには、業務遂行のために必要な知識・ノウハウ・人脈を持てていたので、すぐにキャッチアップできました(笑)」。

持続可能な社会づくりのために企業がどう寄与できるのか。志のベクトルとパワーが手繰り寄せた縁のひとつが、当時、都内の企業に勤めていた黒井理恵さんとの出会い。CSR48結成の発案者で、後に初代総監督に就任する。

「CSRは企業活動そのものなんです。CSR担当は企業を取り巻く顧客や従業員からの期待やニーズに応えるための対応を広げようとします。女性の活躍推進に向けてテレワーク環境を整備するのもそうですし、あまり知られていないところでは、不祥事を起こさないようにすること、リスクに対してあらかじめ手を打つこと、これもCSRの範囲です。前者が“攻めのCSR”であるのに対して後者は“守りのCSR”。性質は異なるものの、実は皆さんが注目するすべての情報がCSRに内包されているといっていいと思います。だから、『まずは興味を持って知ってもらう』入口として“CSR業界のアイドル”が必要だったんです」。

左)メンバー自らモデルを務めるチャリティカレンダーと連載を持つ雑誌『オルタナ』 右)大いに盛り上がった「HAPPY WOMAN BUNKASAI 2017」

最新のホットトピックスをテーマに

年々、CSRに対する世間の関心が高まりをみせる中、CSRの視点から会社全体を俯瞰し、足りないものを補い、攻めどころを見極めるため、太田さんはどこまでも貪欲にインプットとアウトプットを繰り返す。昨年11月には、女性の感性や視点を生かした社会づくりを考えるイベント「HAPPY WOMAN BUNKASAI 2017」で、国連広報センターの根本かおる所長などと共に登壇。また、今年3月8日の「国際女性デー」に開催される「HAPPY WOMAN FESTA 2018」ではCSR48メンバーによるパネルディスカッション「私たちのリアル」を予定している。

「社会の変化とともに、CSRはこれからさらに発展していくものと考えます。ですから、CSR担当は対応力が勝負。今回の勉強会も、今年4月1日から障害者の法定雇用率が引き上げになることを受けて、『生きづらさを抱える人のリアル~障害者雇用率UPに伴い企業が今すべきこと』というテーマを設定しました。講師をお願いしたプラス・ハンディキャップ代表の佐々木一成さんとは以前から親交があり、障害当事者の目線から障害者雇用支援をしている彼なら、雇用する側・される側の双方からみた課題を分かりやすく伝えてくれるだろうと、ピンときたんです」。

難しいテーマにも柔らかい心で臨み、CSRに関する最新の情報を吸収する

<イベント詳細>

CSR48勉強会

日 時: 2018年1月24日(水)

場 所: 東京日本橋タワー27階 サイボウズ株式会社内会議室

テーマ: 生きづらさを抱える人のリアル~障害者雇用率UPに伴い企業が今すべきこと

講 師: 一般社団法人プラス・ハンディキャップ代表 佐々木 一成 氏

◆佐々木 一成 
一般社団法人プラス・ハンディキャップ代表
1985年生まれ。福岡県出身。生まれつき両足と右手に障害を持つ。障害者でありながら、健常者の世界で生きてきた経験を生かし、2013年3月、生きづらさに焦点を当てたWebマガジン「Plus-handicap(プラス・ハンディキャップ)」を創刊。同年9月には一般社団法人化し、代表に就任。現在は編集長を兼務しながら、シッティングバレーボールに取り組み、2020年の東京パラリンピック出場を目指すアスリートでもある。障害者と企業の両方の立場に立った障害者雇用支援、障害者スポーツの広報事業、小・中学校向けの障害者との関わり方を考える出張授業などを行っている。

関連サイト
CSR48公式ブログ: https://ameblo.jp/csr48
CSR48/facebookグループ(承認制): https://www.facebook.com/groups/125699810893402/
Plus-handicap(プラス・ハンディキャップ): https://plus-handicap.com/

Pagetop