江戸三大祭の筆頭、日本三大祭のひとつで、江戸時代から脈々とつづく重厚な歴史を誇る「山王祭」。徳川三代将軍家光公以来、歴代将軍が上覧拝礼する数少ない「天下祭」として、古くから愛されてきました。
2016年は、この「山王祭」が行われる年。はじめての方も含め歴史から神輿の担ぎ方まで、さまざまな視点から「山王祭」の楽しみ方を知ってもらおうと、去る2月25日(木)、東京スクエアガーデンにて第一回「江戸まち塾」が開催されました。
記念すべき第一回の講師は、江戸町火消し「ろ組」組頭の鹿島彰さん。世話役として参加された竹内章雅さんとともに、軽妙なやりとりの中、興味深いお話の数々をお伺いしました。
中でも、町火消が生まれた江戸時代の話が印象的。当時の消火方法は「破壊消防」と呼ばれ、水をかけて火を消すのではなく、風下側の建物を壊して延焼を防ぐ消火活動が一般的。このため、「建物を壊すのにある程度の構造知識が必要」「道事情に詳しい」「身が軽い」などの理由から、とび職が火消しの中心となり、今でもその文化が受け継がれているのだとか。
また、半纏や草履の着こなしについても参考になる話ばかり。下に着用するのは江戸時代から伝わる「いろは四十八組」の半纏で、腰に入った線で担当地区を、線の太さで役職を表しているそうです。対して、明治時代以降に正装として登場したのが上に着用する半纏。草履は、足を半分ほどはみ出して履くのが粋で、草履の前は反る形が格好いいのだそう。
さらに、半纏は組や町を背負うものなので、座るときは後ろを端折って半纏を敷かないようにするレクチャーも。お祭りの際も、半纏を丸めて地べたに置く、その上に座るなど、絶対NGだそうです。このほか、「半纏ブラザーズ」が登場し、神輿を担ぐ際のファッションチェックが行われ、和やかに学べる楽しいひとときに。
熱心に聞き入る参加者の表情が印象的だった第一回「江戸まち塾」。今後、第四回まで予定されています。普段はなかなか知ることができない逸話に親しめるこの機会、ぜひお気軽にご参加ください。