〈さんかする〉イベントレポート
Event report

|2016.07.15

【山王祭 第一回】2016年6月10日(金) 宵宮渡御


日本三大祭のひとつとして名高い「山王祭」。今年は、二年に一度の山王祭の年で、去る6月7日(火)~6月17日(金)、かつての江戸の町が盛り上がりました。中でも、もっとも華やかとされる儀式「神幸祭」が行われた6月10日(金)は、鳳輦2基、神輿、山車などが王朝装束を身にまとった人々とともに銀座の中央通りなどを練り歩き、実に豪華絢爛。その神幸祭にあわせ、氏子各町においても盛大な神賑いの行事が行われました。

見慣れた街の風景を、別世界のような光景に変える「宵宮」


10日に各町を賑わせたのは「宵宮」と呼ばれる夕方から始まる神輿渡御。開始時間の少し前、さまざまな色の半纏をまとった人々が次々と御神酒所に集まります。こんな都会の真ん中に、半纏姿の人が大勢歩いているのも、なんだか不思議な景色です。町会の半纏はもちろん、その町にある企業の名前が入った半纏もあり、思っていた以上に種類がありました。半纏を着て、キリリと鉢巻を締めている姿は粋で恰好がよく、思わず見惚れてしまいます。

時間になると、御神酒所にて町会長さんのご挨拶から始まり、皆揃って一本締め。いよいよ渡御の始まりです。軽妙なお囃子と高張提灯の列に続いて、神輿が出発。威勢のよい担ぎ声が響きわたり、自然と見物客の気持ちも高まります。いつも見慣れた街に、壮麗な神輿が進んでゆき、別世界のような光景が広がりました。

表敬訪問を受ける旦那衆の誰もが、うれしそうな表情をみせる


神輿渡御の見せ場のひとつが、地元の旦那衆のもとを訪れ、神輿を差し上げ挨拶する表敬訪問。各ビルや店の玄関先まで来ると、方向を変え、出迎える旦那衆の眼前に進み、神輿を天に向かって高々と上げる「神輿を差す」儀式が、神輿で挨拶することだそう。日頃からなじみ深い方々からの出迎えを受けて、高々と神輿を差し、挨拶が行われ、拍手喝采が起きました。

表敬訪問を受けた各旦那衆が、それぞれ顔をほころばせうれしそうな表情をみせることも山王祭ならでは。「由緒正しき天下祭を支えている」という自負と矜持で、誰もが誇らしげ。表敬を受けた後、手締めを行い、労いあう姿など、気持ちがあたたまる光景が見られました。

古くから日本橋に住まう人とオフィスワーカーにより支えられる、氏子各町神輿渡御


町内を練り歩いた町会神輿渡御が、出発した御神酒所に到着したのは、だいたい20時をまわった頃。翌日からの神輿渡御に備え、この日の渡御を手締めで終了しました。

現在東京の都心では町はオフィス街へと姿を変えており、町自体に住まう人はぐんと減っているそう。こうした変化の中で、神輿の担ぎ手としての重要な担い手は、その町で働くオフィスワーカー。昔から地元に住まう人々はもちろん、オフィスワーカーがいつものスーツ姿から半纏に着替え、元気いっぱいに神輿を担ぐことは、この町で働く誇りともいえます。参加されている皆さん揃って笑顔で、山王祭を盛り上げている姿が印象的でした。
 

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