〈さんかする〉イベント詳細
Event information

|2018.12.01

富士屋ホテルの営繕さん -建築の守り人-[LIXILギャラリー]

富士屋ホテルは、明治11年日本初の本格的リゾートホテルとして箱根に開業しました。歴代社長のアイデアと地元の棟梁による和洋混交の独特な建築群で構成され、平成9年には登録有形文化財にも指定されました。この老舗ホテルには、「営繕さん」と親しみをもって呼ばれるスタッフが在任し、建築物の営造や修繕を行っています。富士屋ホテルが今日もなお創業当時の趣を残している理由の一つに、裏方である営繕さんの仕事があるのです。

そのホテルが、2018年4月から大規模な改修のため、創業以来初めてとなる2年間の長期休業に入ることになりました。今回この機会を利用して、営繕の仕事の痕跡が残る様々な場面を取材しました。日々の細やかなメンテナンスから庭園の橋や水車、檜風呂づくりにいたるまで多岐にわたる仕事を目にすると、彼らの役割がこのホテルには欠かせないものだと実感できます。

本展では、富士屋ホテルを支える営繕の仕事をとおして、歴史を受け継いで守られてきたおもてなしの空間の魅力を紹介します。会場では、この機会にしか撮れない建物の内外の撮り下ろし写真を中心に、富士屋の象徴である営繕作の朱赤の欄干をホテルから移設展示、また手がけた空間の例としてコンシェルジュコーナーも再現します。さらには富士屋ホテル建築群の築造の変遷も古写真で辿ります。どうぞご期待ください。


<イベント概要>

会期: 2018年12月6日(木)~2019年2月23日(土)

会場: LIXILギャラリー

開館時間: 10:00~18:00

休館日: 水曜、12/28-1/4

入場: 無料

企画: LIXILギャラリー企画委員会

制作: 株式会社LIXIL

協力: 富士屋ホテル、金子皓彦、嶋写真店、箱根町立郷土資料館

展示デザイン: +建築設計 田代朋彦

展示グラフィック: 小林すみれ

WEBサイト: http://www.livingculture.lixil/topics/gallery/g-1809/

左:昭和11年(1936)竣工の「花御殿」。 中:食堂棟・メインダイニングの柱飾り。 右:本館のホテル入口にある朱赤の欄干。
撮影:白石ちえこ

営繕小屋内の全景。撮影:白石ちえこ

■主な見どころ

<富士屋ホテルの建築と内部>
富士屋ホテルの建物の多くは、建築家が介在せず経営者と地元の棟梁によって建てられました。特に三代目社長、山口正造は破天荒なアイデアマンで、華やかな装飾を次々に取り入れました。本領を発揮したのが、昭和11年竣工の「花御殿」です。大きな千鳥破風の屋根が印象的なこの棟は、全室に花の名前が付けられ、各部屋の細部に花のモチーフが使われています。今や富士屋ホテルを代表する建物ともいえるでしょう。
また、食堂棟のメインダイニングの柱には正造の顔を模した飾りが随所に施され、社員がきちんとサービスをしているか見張るためという逸話も残されています。ダイニングは利用客も多いため椅子や床・換気口など、度々修理修繕が必要になる場所でもあり、営繕さんが日々メンテナンスをして状態を保っています。その他、木彫刻の飾りや格天井、花頭窓などが施された本館や西洋館なども建築的な見どころが多く、それらを営繕さんの仕事の痕跡と併せて写真でご覧いただきます。

<営繕さんの仕事>
富士屋ホテルの「営繕」は、施設管理課のセクションに属し、仕事内容は木工事、左官、溶接、塗装など多岐にわたります。ホテルの一角にある作業小屋で、ホテルの様々な要望に応えるため日々作業が行われてきました。平成の初期までは活版印刷も行われており、メニューやチラシなどがここで刷られていました。小屋の全景を映したパノラマ写真とともに、営繕さんが使用している道具類、かつての活字や活版メニューなどを展示します。
また、同じく富士屋ホテルを陰で支えている施設管理課の「技術」が管理するボイラー室や配管路などのバックヤード写真も見応えがあります。その他、営繕さんのインタビューや作業風景を映像でご覧いただきます。

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