日本映画の歴史において、監督・製作・脚本・美術・衣裳デザイン・編集・結髪・スクリプターなどの多様な領域で、女性映画人たちが手腕を発揮してきました。
無声映画期には、女優の登場以前から結髪部に女性たちが定着しはじめ、トーキー時代に導入されたスクリプターは撮影所の数少ない女性採用職として、長期キャリアや監督進出などの土壌となりました。また脚本家では、尾上松之助の時代劇の革新を担った林義子、松竹蒲田の水島あやめ、剣戟時代劇を多作した社喜久江などが活躍した後、戦前の日本映画の黄金期には鈴木紀子が日活や東宝で健筆をふるいました。監督としては、女性で初めて坂根田鶴子が劇映画デビューを果たしました。そして戦後には、女優から監督に進んだ田中絹代や望月優子、脚本の水木洋子や田中澄江、製作の水の江瀧子、編集の杉原よ志、美術の村木忍、衣裳デザインの森英恵や柳生悦子、さらに各分野での多くの功績もありました。
当館初の試みとなる本企画では、Part 1として、無声映画期から1960年代以前にキャリアを開始した女性映画人が手がけた作品を対象に、劇映画からドキュメンタリーまで計81作品(44プログラム)を上映します。脈々と築きあげられてきた女性映画人たちの歴史を掘り起こし、その仕事を見直すことにより日本映画への新たな視座が切り拓かれることを願っております。
※ 会期、上映スケジュールおよびチケットの発売日、定員の変更等の場合はHPでお知らせします。
※ マスク着用のない方の入館をお断りします。
※ 来館者全員に検温を行います。37.5℃以上の方は入館をお断りいたします。
<企画概要>
会 期: 2023年2月7日(火)-3月26日(日)本特集の休映日:月曜日および3月18日(土)
会 場: 国立映画アーカイブ 小ホール(地下1階)
定 員: 151名(各回入替制・全席指定席)
主 催: 国立映画アーカイブ
協 力: 協同組合 日本映画・テレビスクリプター協会
国立映画アーカイブ:https://www.nfaj.go.jp/
上映企画ページ:https://www.nfaj.go.jp/exhibition/exhibition/women202212/