〈さんかする〉イベントレポート
Event report

|2016.05.27

江戸当時の面影をうかがう【江戸まち塾 第三回】 祭礼絵巻にみる「江戸」の祭り

日本三大祭のひとつとして名高い「山王祭」。徳川三代将軍家光公以来、歴代将軍が上覧拝礼する数少ない「天下祭」は、歴史ある祭りとして広く知られています。
2016年は、この「山王祭」が行われる年。そこで、街のみなさまにさまざまな角度から「山王祭」に親しんでいただくことを目的に、去る4月8日(金)、日本橋プラザビルにて第三回「江戸まち塾」が開催されました。

第三回の講師は、武蔵大学の福原敏男教授。第一回の講師、江戸町火消し「ろ組」組頭の鹿島彰さん、世話役の竹内章雅さんにも登壇いただき、山王祭と祭礼絵巻のお話をお伺いしました。

祭礼絵巻とは、伝統的な日本の祭礼に携わった人々や風景を記録し、後世に伝えることを目的に描かれたもの。今回ご説明いただいたものは、日枝神社所蔵の18世紀初頭に描かれた3巻からなる「江戸山王祭之図」という祭礼絵巻。1巻のサイズは縦約30cm、横約15mなので、山王祭の祭礼絵巻は全部で約45mもの長さになります。

横スクロール状の絵巻という形態は、お祭りのような長い行列を描くことに最適なのだそう。一定方向に進んでいく様子を祭礼絵巻で鑑賞しながら、行列と共に時間や距離の進行にあわせて絵巻の中に自身を投影し、登場人物になったように入り込んで楽しめる、というお話には誰もが興味深げでした。

山車は、現代では“山”と“車”の漢字をあてていますが、当時は“出し”という表記がほとんどだったそう。絵巻には、山車の中央にある一本柱の上部に、その町ならではのモチーフを飾り、氏子たちが担いでいる様子が描かれています。モチーフは烏帽子をかぶった猿や将棋の「飛車」駒、芭蕉の葉を使っていたりと、とてもユニーク。色とりどりの吹き流しとあいまって、華やかかつにぎやかな当時の情景が目に浮かびます。

男性中心と思いがちなお祭りですが、揃いの赤前垂れを着用した女性たちが花の入った桶を持っていたり、巡礼の恰好をした女性たちの歩く姿も。福原教授によると、江戸のお祭りは女性が主役として活躍する局面も多く、参加者も非常に多かったのだとか。当時、重要なシーンで女性が活躍していた面影を知ることができました。

丁寧にひとつずつ紐解きながら語る福原教授のお話は新たな発見ばかりで、貴重なひとときになった第三回「江戸まち塾」。いよいよ次回、第四回が最終回。在りし日の江戸に触れるこの機会、ぜひお気軽にご参加ください。

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