イラストレーター。建築デザイナー。1974年岩手県生まれ。法政大学大学院建築科修士課程修了。取材執筆、挿絵、法廷画など幅広く活躍。著書に『駅弁女子』『東京さんぽるぽ』『奇跡の一本松 大津波をのりこえて』など。
八重洲はおじさんたちがワイワイガヤガヤいっぱい生息しているというのが、かつてわたしが持っていたイメージだ。
しかし最近はそういった酒場的な雰囲気も保ちつつ、少しずつおしゃれに整備が進み、以前よりとっつきやすくて快適になった。方向音痴なわたしは迷ってしまうが、それも新たな店の発見にもつながって楽しい。
う
〜んっ、「爛鶏煨麺(特製鶏の煮込みそば)」うまし! 女子友にすすめられた逸品は、ホッとする優しい味だった。前々から大きな看板が気になっていた「八重洲大飯店」にいよいよ足を踏み入れてみた。「爛鶏煨麺(特製鶏の煮込みそば)」(1200円)、「かに味噌と白菜煮」(1900円)には迷わず出し老酒グラス(560円)を。 全体に癒し系のマイルドな料理が多い。
こ
の酒場激戦区で女性はどこでもつ焼きを頬張るべきか。ならば迷わず「三六」をおすすめしたい。ひっきりなしに客が押し寄せるが臆することなかれ。「たん刺」(530円)は表面をボイルし、その中心部のみを食す。レアというかほぼ生の食感だ。「ハチノス(牛第2胃袋)の串焼き」(230円)は2時間半も煮込んでから焼く。一番人気の「れば串焼き」(150円)はすぐ売り切れるのでお早めに。 市場の休みの関係で月曜はナシ。「どて煮込み」(660円)は八丁味噌の和風仕立て。デミグラスソースのように濃厚。「ガーリックトースト」(110円)を合わせるべし。通称「シャリキン」金宮ホッピー(480円)。焼酎「金宮」を凍らせて氷を入れずにホッピーを注ぐ口あたりなめらかなこだわりのホッピーのこと。「三冷」はグラス、中(金宮)、外(ホッピー)を冷やしたもの。シャリキンは「一凍二冷」。シャリシャリに金宮を凍らせたもの。(値段はすべて税抜)