こんにちは、編集部員KRです。
今日は、日本橋の鰹節問屋が直営している立ち蕎麦の名店「そばよし日本橋本店」へ。
日本橋には、江戸時代から関東大震災以前まで魚河岸があった名残から、今も鰹節問屋の老舗が多くあります。江戸時代創業の「中弥商店」はそのうちの一軒。皇室御用達の一級品を扱う鰹節卸問屋です。「出汁のおいしさをもっとわかってほしい」と鰹節工場があるビルの一階で蕎麦店を始めた当代は十三代目になるそう。
「鰹節問屋直営/化学調味料を一切使用しない「つゆ」が自慢」と掲げられた看板には、江戸っ子らしい潔さを感じます。
券売機にある「カレーライス」や「鶏そぼろ丼」も気になりましたが、今日は定番メニューのお蕎麦を。問屋ならではの利点で美味しい海鮮食材を仕入れていると事前に聞いていたので、わかめを使用した「わかめ蕎麦」に「きつね」のトッピングで決定。
食券をカウンターに渡し、席につきます。行列必至のランチタイム時間を外せば、椅子が出されるので座って食べることができます。席は13席。もう15時に近いというのに出来上がった蕎麦の掛け声がひっきりなしにかかり、店内はとても活気があります。お客さんは途切れることなく、さっと食べて次々と入れ替わって行きます。
私にも蕎麦が到着。悠久の時を経て、ここ日本橋で江戸時代のファーストフードを食べるんだなあ、と感じ入りながら、一口目をすすります。立ち蕎麦らしい無骨な佇まい。蕎麦はやや細め。柔らかすぎるでもなくコシが強すぎるでもなく、ずずずっと食べるのにちょうど良い塩梅。わかめの味が滋味深く、甘めに炊いてあるきつねはアクセントになっています。
特筆すべきは、やはり出汁のおいしさ。化学調味料を一切使っていないのはもちろん、「つゆは鰹節問屋が作る極上品」という看板に偽りなし!上質な鰹節を惜しみなく使える問屋ゆえの一品です。蕎麦で出汁まで飲みきったのは初めて。気づくとどんぶりの底が見えていました。
同店では、なんと出汁のおかわりが自由。食べ終えたどんぶりをカウンターに持っていくと出汁を注ぎ入れてくれます。ちなみに「ご飯」を頼むとサービスで工場で製造する際に出た鰹節の粉末がかけ放題なのもお店の名物なのだそう。さすが江戸っ子気っ風がいいねえ!と思わず心の中で掛け声をかけました。
食べ終わって外に出ると眼前に首都高。江戸時代は川端だったこの辺りには、本当に蕎麦の屋台が出ていたかもしれません。江戸の誇りを受け継ぐソウルフード、堪能いたしました。
WEBサイト: https://twitter.com/sobayoshi0716