2年に一度、江戸っ子たちが待ちわびる日枝神社の祭礼「山王祭」。2年前はコロナ禍のため中止になっており、実に4年ぶりとなる本祭では、各町会それぞれの判断で行事を行いました。
6月に入ると、火消の半纏を着た鳶の皆さんの姿が目立つようになり、伝統の祭りを支える彼らの手によって、神酒所や御仮屋の設営、軒提燈、神輿の飾りつけがテキパキと進められ、街全体がお祭りムードに。
そして迎えた6月12日(日)、街ゆく人の目を奪ったのが「下町連合神輿巡行」です。感染防止の観点から、神輿を担ぐのではなく山車に載せて曳く形での実施となりました。
日枝神社摂社(茅場町)を出発した山車は途中、お囃子や高張提燈の先導もありながら、久安橋(八丁堀)を抜け、日本橋方面へ。
4年ぶりに日本橋をUターンする際、周囲は喜びに沸きかえりました。例年通り神田明神氏子による出迎えも受け、お祭りの復活を参加者・見学者が共感した瞬間でした。
勇壮な木遣り歌が響く中、山車は向きを変え、再び高島屋前を通過。最後は日本橋三丁目西町会の神酒所に
曳行されました。
威風堂々たる神輿や山車の存在はまさに、疫病退散の願いを託すにふさわしいものでした。
また、町内会から町内会へ曳き廻し役が引き継がれる「引き渡し」の場面や、地元の旦那衆と周辺のオフィスビルで働く人たちが同じ半纏姿で寄り集まる様子に、心の垣根をなくしてくれるハレの日の大切さを改めて感じた一日となりました。