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|2022.05.16

慶應義塾大学SFC小林博人研究会に特別表彰 顕著な地域貢献

町会長吉野正敏さん、小林博人教授、須山翼さん(環境情報学部4年生)

平日はスーツ姿のビジネスパーソンの往来が多くオフィス街の印象が強い日本橋ですが、町会が残っているのもまた日本橋の文化といえるでしょう。

オフィス街化が進むにつれ、昼夜間人口の差が拡大していく環境変化の中にあって、周辺の町会同士、あるいは住民とは異なる地域関係者との連携により、大小さまざまな活動が花開いており、そのひとつが日本橋三丁目西町会と慶應義塾大学SFC小林博人研究会との協働です。

去る4月21日、日本橋三丁目西町会は小林教授とその研究室の学生に対して感謝状を贈呈し、町会活動に新たな視点を持ち込んでくれたことに対する謝辞とともに、より一層の活動を期待する言葉を伝えました。他方、小林教授は「よそ者だからこそ見えること、言えることがあるはず」と話し、今後も継続的に関わり、主に街並みのデザインで協働を進めていくことを約束しました。

両者が初めて顔を合わせたのは約2年前。住民の話を聞くフィールドワークがコロナ禍でままならなかった学生たちは、古地図や浮世絵、あるいはインスタグラムといったメディアに映し出された“日本橋らしさ”の調査から始めたといいます。そして、地元企業などとも連携をとり、ものづくりを通した地域活性化に取り組んできました。例えば、日本橋三丁目の路地裏に佇む於満稲荷の「初午祭」では社会実験的アプローチを行いました。地元の手厚い保護のもとで常にきれいに守られている祠ですが、ビルの合間にあるため、通りから見ても目を引きません。そこで祭り当日、行燈や緋毛氈の縁台などを設置、またアプローチに玉砂利を敷くなど、和の趣を感じさせる雰囲気と賑わいを創出しました。

左)制作した行燈を説明する学生たち  右)集った地元関係者も縁台の組み立てに参加

小林教授は、ベニア合板のピースを組み立てて作る縁台を例に、“自分ごと化”することの重要性を強調します。縁台にしろ、祭りにしろ、ものづくりへの参加者のモチベーションと共感による一体感の連鎖がまちづくりであり、「街は更新され続ける」と。地元に根づいている伝統や生活文化と、新たに生まれる都市空間やそこに入ってくる人たちが相互に補完し合い共存する街に、“他人”はいないのかもしれません。

関連サイト
学生ベニアハウスプロジェクト@八重洲: https://guidetokyo.info/join/report/repo95.html

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