〈むかしみらい〉 地元企業物語
Campany's story in our town

|2016.09.22

Vol.3 清水建設

「第二の創業の地」京橋で再び、新たな歴史を刻む。


上野の東京文化会館や国立西洋美術館、幕張メッセや東京湾アクアライン「海ほたる」などを手がけ、創業212年の歴史をもつ清水建設にとって、京橋は「第二の創業の地」とされる縁の深い土地だ。

文化元(1804)年、神田鍛冶町に「清水屋」の屋号で大工として創業。その後日本橋本石町に本店を移すが、建築請負業への発展とともに手狭となり、明治36(1903)年、京橋区南鞘町みなみさやちょう(今の京橋)に本店を新築した。

南鞘町の新本店は、木造モルタル二階建ての瀟洒な洋風建築で、机の上に電話が置かれ、各室には石炭焚きの温風暖房と当時の最新式設備を備えた社屋だった。この本店に移った12年後の大正4(1915)年、「合資会社清水組」となる。

この社屋は、大正12(1923)年の関東大震災で惜しくも焼失する。以後九年間は別の地に仮本店を置くが、昭和7(1932)年には京橋区宝町に本店を竣工させた。その5年後に「株式会社清水組」が設立され、23(1948)年に現社名に変更された。

昭和の高度成長期を支えたこの宝町本店は平成4(1992)年に解体され、本社機能は芝浦に移転。そして24(2012)年、再び京橋に竣工したのが現在の本社ビルだ。

この建物は省エネルギー、防災の両面で清水建設が誇る最新技術のショーケースの役割を果たしている。その一例が「ハイブリッド外装システム」だ。建物の外側を覆うフレームは柱と梁、窓枠の役割を果たし、間には太陽光パネルや耐震パネル、遮熱効果の高い複層ガラス窓が組み込まれている。フレームから窓までの奥行きは約55センチと深く、太陽の光を遮る庇としての機能も備えている。

42台の免震装置によって支えられた高い耐震機能も特徴の一つ。地震などの非常時には、地域の防災拠点として社員を含む帰宅困難者四千人の受け入れが可能だ。

3年前には同社が中心となり「京橋スマートコミュニティ協議会」を設立。周辺の他企業と連携し、エリアとしての環境対応強化に取り組んでいる。明治時代から約90年にわたって本社を構え、再び帰って来た京橋の地で、清水建設は未来のまちづくりに向け新たな役割を担っている。

関東大震災で焼失した南鞘町本店2階にあった「製図場」。設計部門の前身にあたる製図場は明治20年代の初めに発足し、大正5(1916)年に「設計部」となった

京橋に建つ地下3階、地上22階、高さ110mの現本社ビル。外壁には太陽光パネルや耐震パネルが組み込まれている

清水建設株式会社
住所: 中央区京橋2-16-1
TEL: 03-3561-1111
交通: 都営浅草線宝町駅から1分(A8出口隣接)、東京メトロ銀座線京橋駅から5分
WEBサイト: http://www.shimz.co.jp/


TEXT: 井上りえ
東京人2016年7月増刊より転載

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