〈はたらく〉 東京ワークライフスタイル
Front of style

|2019.03.25

家族、同僚、友人 大切な人と何気ないひとときを過ごす街


八重洲・日本橋・京橋エリアで生き生きと働く人々に、朝・昼・夜の過ごし方を伺う連載「Front of Style」。

今回は、茅場町駅近くで「焼肉あかぎ」を営む戸塚康弘さん、日本橋にオフィスを構える「じぶん銀行」に勤める竹林裕美さん、日本橋エリアのビジネス&カルチャーニュースを配信するニュースサイト「日本橋経済新聞」の編集長・仁藤正平さんにお話を伺いました。

●娘たちと過ごす朝の時間が1日の活力 地域のつながりを大切に
戸塚 康弘さん(焼肉あかぎ)

茅場町駅近くで「焼肉あかぎ」を営む戸塚康弘さん。1歳と4歳のお子さんをお店近くの保育園に送るのが、毎朝の日課だそう。普段は、自宅から保育園まで自転車で移動していますが、取材当日はあいにくの雨。それでも、手を繋いでゆっくり歩幅を合わせながら歩く姿は、なんだかとても楽しそうです。

「飲食店をしていると、帰りはいつも深夜で子どもたちはもう寝ています。なので、顔を合わせて話せる朝のこの時間が、何よりの楽しみなんです。この前も娘たちと一緒にいたところをお客さんに見られていたみたいで、『すごくニコニコしていたよ』なんて言われちゃいました」。

保育園に送った後は、店舗に向かい開店準備を始めます。2010年に店を構え、2019年1月に同じ茅場町一丁目に移転オープンすると、店内の広さは2倍に。明るく、ゆったりと落ち着く店内が広がっています。個室席もあるので、ちょっとしたお祝いのシーンにもぴったりです。

移転先は、町内会理事の方が倉庫として使っていた場所。そして戸塚さん、町内の年配の方の紹介で、茅場町で古くから続く鍵屋の女性と知り合って結婚したそう。「知り合いばかりなので悪いことはできませんね(笑)。公私ともに本当に良くしてもらっているので、地域の人たちに恩返ししたいです」。

戸塚さんは、一般社団法人中央区ラグビーフットボール協会の理事を務めており、小学校の授業でラグビーコーチを任されることも。自身のラグビー経験から「仲間と協力して当たり前の練習をコツコツ積み上げれば、結果が必ず伴う」と子どもたちに教えているそうです。

「つまり、『凡事徹底』ですね。店に立つ時も、お客様への気遣いだったり、食材にこだわって味を生かすことだったり、そういった基本を何より重視しています」。

「和牛カルビランチ」。こだわりのお肉は、良質な国産の牝牛を厳選して仕入れ、お米はコシヒカリを使います。

「『あかぎに来ると、元気が出るよね』と言ってもらえるとうれしいです。自分へのごほうびやスタミナをつけに、ワイワイ楽しみに来てもらえれば。お客様の中には90代の方も。おいしそうにお肉を食べている姿を見ると、こちらも元気をいただけます」。

焼肉あかぎ
住    所: 中央区日本橋茅場町1-3-9 MYビル 1階
WEBサイト: http://yakiniku-akagi.com/ 


●社会人としてのスタートを切ったこの場所で3年目 メリハリをつけて楽しむランチタイム
竹林 裕美さん(株式会社じぶん銀行)

日本橋にオフィスを構える「じぶん銀行」に勤める竹林裕美さん。営業第二部で個人向けの運用商品を担当しています。

スマートフォンの普及にあわせて、専用アプリ内ですべての銀行サービスを利用できる「手のひらにある銀行」として、2008年に創業したじぶん銀行。竹林さんは、新卒社員の第一期生として2016年に入社しました。

竹林さんの仕事は、個人向け運用商品の業務推進。より多くのお客さんが便利にサービスを利用できるよう、キャンペーン企画などを担当しています。

「金融業界で、新卒入社一期生としてスタートを切れるのは、なかなかない機会。チャレンジングなことが好きで、真新しい場所でのびのび働くのは面白そうだなと思って、入社しました」。

会社の先輩たちと親密になれたきっかけはランチタイム。会社付近の飲食店に連れ出してもらって以来、竹林さんにとってランチタイムはとっておきの時間になったそうです。

「時間がなくてもおいしいものが食べたい日は蕎麦、甘いもので元気を出したい日は昔ながらの喫茶店でパンケーキ、というように日本橋には気分に合わせて選べるお気に入りの場所があるんです」。

学生時代、日本橋エリアにはたまにショッピングで訪れる程度だった竹林さん。3年間を日本橋で過ごした今では、新旧のミックス具合を心地よく感じています。この日のお昼に訪れたカフェダイニング「BRIDGE日本橋」の店内も、新しい街の印象を感じる場所のひとつ。吹き抜けの天井と大きなガラス窓が開放的です。

「同期や後輩と5〜6人で連れ立っても入りやすい普段使いのお店。週に1度は必ず足を運びます」。

この日いただいたのは「ハヤシライス」のランチセット。日替わりで約6種類のメニューが並びます。食後に付くオリジナルブレンドのコーヒーは、香ばしくも軽やかな味わいです。

急ぎの仕事があり遅れてくる同僚からは、「いつもの『ネギ塩ハンバーグ』をお願い!」とリクエストを受けることも。「社内に食堂がないので、この辺りの飲食店が社員食堂代わり。行けば絶対に誰かがいる、という中華料理店もありますね(笑)」。

お昼を食べ終わり一息つけば、午後の業務に向けてオフィスへ。「食後のコーヒーを片手に『もう少し外で過ごしていたいね』なんて同僚と言い合うこともあるけれど、いざ会社に戻ればきっちり集中。このメリハリが自分には合っている気がします」。

自分の仕事を業務時間内にやり切って、終業後や休日に思いっきりリフレッシュするのが竹林さん流。最近の休日は、昼間から大好きなビールを楽しみつつ、「TOHOシネマズ 日本橋」で映画鑑賞という過ごし方がお気に入りだそう。

「また、今からチェックしているイベントがあります。全国の日本酒蔵が日本橋エリアに集結する毎年恒例の『日本酒利き歩き』というイベントで、今年は4月13日に開催されます」。

この街で迎える4度目の春はもうすぐそこ。日本橋は、竹林さんにとってオンもオフも楽しめる場所になりつつあるようです。

BRIDGE日本橋
住    所: 中央区日本橋1-16-3 日本橋木村ビル 1階
WEBサイト: http://www.bridge-nihonbashi.jp

株式会社じぶん銀行
住    所: 中央区日本橋1-19-1日本橋ダイヤビルディング 14階
WEBサイト: https://www.jibunbank.co.jp 


●街を歩いて20年 細く長く通い続ける京橋エリアで今宵の一杯を
仁藤 正平さん(日本橋経済新聞)

仕事帰りの人々が行き交う午後6時の京橋駅。駅直結のビル「京橋エドグラン」のレストラン街に立ち寄った仁藤(にとう)正平さん。日本橋エリアのビジネス&カルチャーニュースを配信するニュースサイト「日本橋経済新聞」の編集長です。

「この街で働く人が元気になるローカルニュースを届ける」をコンセプトに、2010年にスタートした日本橋経済新聞。ボランティアで活動する記者は仁藤さん含め、日本橋エリアで働く会社員をはじめ、この地域にゆかりのある人々です。

「うちの会社の社員が『やりたい』と言い出したのが始まり。私は学生時代に写真サークルで活動したカメラ好きなので、最初はもっぱら撮影担当でした。それがいつの間にか編集長に。今でも筆が遅いけれど、記事の半数近くは自分で書いています」。

本業では、食品メーカーのマーケティング支援やITベンチャーの顧問を務める傍ら、数年前に取得した「個性認識学」の講師免許を生かし「働き方改革」セミナー講師として活動。その合間をぬって、日本橋ならではのトピックを取材するべく、街を歩き回っています。

仁藤さんが撮影した「東京マラソン2019」の様子(提供:日本橋経済新聞

以前勤めていた会社で大阪から八丁堀へ異動したのをきっかけに、日本橋エリアでの生活が始まった仁藤さん。「会社が変わっても20年近くこの辺りをウロウロしています。転勤したての頃は自転車通勤で、帰り道は京橋エリアに寄り道しました。明治屋京橋ストアーでワインやチーズなんかのおいしいものを買って帰るのが楽しかったな」。

中央区の有形文化財にも指定されている「明治屋京橋ビル」は、保存のための改修工事が行われ、現在は「京橋エドグラン」を構成する一棟としてその姿を残しています。近くには、仁藤さんの母校である同志社大学の東京オフィスも。

「数カ月に1度、同窓会や会報誌の打ち合わせをした後に、ビル内にある『スナックモルチェ』や『京橋モルチェ』で軽く飲むのが定番コース。最近は、そろそろリタイアする仲間もいるから、『もう年金もらってるの?』なんて話題が挙がったりもしてね」。

1907年(明治40)年にオープンした宮内庁御用達のレストラン「中央亭」にルーツを持ち、2016年にリニューアルしたビアレストラン「京橋モルチェ」。仁藤さんが「必ず注文する」という、喉越しがたまらない樽生ビールは、横浜のキリン工場から直送しています。

看板料理の「ハンバーグステーキ シュバール風」は、やわらかなお肉に半熟卵とたっぷりのデミグラスソースがかけられた、食べ応えアリの一品です。

美術鑑賞や音楽の演奏が好きな仁藤さん。日中は仕事の合間にギャラリーに立ち寄るのが楽しみのひとつです。

「京橋には『ギャラリー戸村』など、アートを楽しめる場所が多いですね。あとはライブができるバーがもっと増えたらうれしいな。実はブルースハープをいつもポケットに忍ばせているんですよ。セッションに飛び込み参加するのが趣味なんです」。

演奏を通じて初対面の人と知り合うように、日本橋エリアのさまざまな楽しみ方も、実際に街を歩く自分の感覚で見つけてきたそう。「私は根無し草だから」と笑う仁藤さんは、今晩もこの街のどこかで仕事帰りのひとときを過ごしているかもしれません。

日本橋経済新聞
WEBサイト: https://nihombashi.keizai.biz 
京橋モルチェ
住    所: 中央区京橋2-2-1 京橋エドグラン 地下1階
WEBサイト: https://www.edogrand.tokyo/shop 

執筆:森夏紀、松尾奈々絵(ノオト) 編集:関紋加(ノオト) 撮影:小野奈那子

※取材内容は2019年3月時点の情報です。

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