八重洲・日本橋・京橋エリアを中心に、この街で働く人々にお気に入りの過ごし方を伺う連載「Front of Style」。
今回は、日本橋髙島屋S.C.新館のヨガサロン「libéry(リベリー)」支配人の八木亜沙子さん、八丁堀で旅行者を迎える「WISE OWL HOSTELS TOKYO(ワイズ アウル ホステルズ トーキョー)」スタッフの孔熏澤(コン・フンテク)さん、京橋にあるグローバル人材紹介会社エンワールド・ジャパン株式会社に通う社員のトニー・エリスさんにお話を伺いました。
●出勤前のテイクアウト 食事選びも自分と向き合う時間のひとつ
八木 亜沙子さん(「libéry」支配人)
2018年9月にオープンした日本橋髙島屋S.C.新館。4階フロアに店を構える「libéry」は、女性専用のヨガコンディショニングサロンです。同店は、関東・関西を中心に展開するフィットネスジム「ティップネス」の新業態。運動や食事を通して、自分自身と向き合うことをコンセプトに掲げています。
朝7時台から夜21時台まで設けられたプログラムは、ヨガやピラティス、ウエイトトレーニングなど週に約70コマ。無理なく理想の自分に近づくために、働き方や調子に合わせて好きなプログラムを受けられます。
近隣で働く方の利用も多いそうで、「素敵な大人の雰囲気を持つ方々と接することで、自分自身も良い影響を受けています」と話すのは、支配人の八木亜沙子さん。サロン内のスタジオの管理やイベントの企画など、幅広い業務を担当しています。
八木さんが出勤前に立ち寄るのは、「libéry」が入居する日本橋髙島屋S.C.新館の地下にある食料品フロア。時間に余裕のある日は、「寝かせ玄米と日本のいいもの いろは」で、好きなおにぎりを1つ選んでから職場に向かいます。
「寝かせ玄米®」とは、玄米に小豆やはと麦などを混ぜて炊き、3日~4日保温状態で寝かせたもの。寝かすことでもちもちとした食感になり、甘みも増すそうです。「腹もちが良く、食物繊維が豊富なのがいいですね。『肉みそ生姜』や『半熟味玉』などの具が気に入っています」。
日中は休憩時間も髙島屋館内で過ごすことが多いという八木さん。本館や新館に入るベーカリー各店で、好みのパンを買って帰ることも。最近は、千葉県松戸市の人気ベーカリー「Zopf(ツオップ)」が出張販売に来るのが密かな楽しみ。普段は甘いものを控えているという八木さんも、その日ばかりはクリームやキャラメルがつまったパンにも手を伸ばしちゃいます。
「やみくもに運動だけに励んだり食事を制限したりしては逆効果。自分の調子を知り、バランス良く過ごせると気持ちがいいですよね。そんな実感を会員さんにも体感いただけたらいいなと思っています」。
libéry Yoga conditioning by TIPNESS
住 所: 中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋S.C. 新館4階
WEBサイト: https://libery.tipness.co.jp
寝かせ玄米と日本のいいもの いろは
住 所: 中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋S.C. 新館地下1階
WEBサイト: http://www.omusubi-iroha.com
●接客のプロを目指して 休憩時は出汁の香りでほっとひと息
孔熏澤(コン・フンテク)さん(「WISE OWL HOSTELS TOKYO」スタッフ)
八丁堀駅近くにある「WISE OWL HOSTELS TOKYO」は、2016年にオープンした訪日外国人向けのホステルです。受付では、女将を務めるワシミミズクの「ハチ」がお出迎え。東京駅からのアクセスも良く、ロビーはアジアや欧米からの旅行客で連日賑わっています。
この春から勤務を始めた韓国出身の孔熏澤(コン・フンテク)さん。学生時代は観光業を専攻し、アメリカのテーマパークに勤務した経験も。サービス業のプロを目指して、約1年前から日本で働いています。
「この場所を知ったきっかけは、大好きな動物である『フクロウ(OWL)』が名前に入っていたから。英語・日本語・韓国語が話せるので、自分のスキルを生かすにも、この仕事はぴったりでした」。
東京メトロ日比谷線と、JR京葉線の2線が乗り入れていて、空港から直行する宿泊客も多いため、周辺エリアの案内には力が入ります。「これから食べる一食が、来日して最初の食事になる方も。僕も来日して初めての食事はずっと印象に残っていますし、飲食店を紹介するときは責任重大です」。
宿泊客からおすすめのお店を聞かれたときに活躍するのが、歴代スタッフによるお手製の周辺ガイド。食の好みやお腹のすき具合に合わせて、いくつか候補を案内するそうです。
そんな孔さん自身がお昼の休憩でふと食べたくなるのは、併設する飲食店「フクロウ」のランチ。昼は定食、夜はおでんを中心にした居酒屋メニューが人気です。
「お昼はすぐ満席になってしまいますね。なるべくホステルのお客さんや地域の方に楽しんでもらいたいので、僕は早めの時間に入店できるときだけ食べるんです」。
「フクロウ」のランチメニューの目玉は、大ボリュームの汁もの! 孔さんがいつも頼むのは、素焼きの鶏肉や根菜を盛り合わせたお味噌汁のセットです。熱々の大きなおわんからは、昆布と鰹の出汁がきいた赤味噌のおいしそうな香りが漂ってきます。
スーツ姿の来店客と肩を並べて食べることも多いそう。「東京駅にも近いオフィス街ですから、国内のいろいろな地域の出身者がこの街で働いているのだろうと想像しています。だからこそ、懐かしくなるような温かい味が好まれるんじゃないかな。韓国にも出汁を使う文化がありますし、僕もなんだか安心する味です」。
現在は周辺エリアについて勉強中だという孔さん。「まだ具体的には見えていないけれど、『お客さんの幸せを作る』という目標があります。そのためにも、まずはこのエリアに詳しくなりたいですね」。
WISE OWL HOSTELS TOKYO
住 所: 中央区八丁堀3-22-9
WEBサイト: https://wiseowlhostels.com/tokyo/
フクロウ
住 所: 同上
WEBサイト: https://izakayafukuro.com
●ワークもライフも体が資本 トレーニング仲間とジムへ出発
トニー・エリスさん(エンワールド・ジャパン株式会社)
アジア太平洋地域6カ国で20年以上の歴史があり、日本最大級のグローバル人材紹介会社であるエンワールド・ジャパン株式会社。アメリカ出身のトニー・エリスさんは、京橋にある本社で、主にIT企業向けの派遣や契約社員に関するコンサルティングを担当しています。
東京スクエアガーデン12階にあるオフィスからは、東京タワーを望める日も。社内業務のほか、クライアント企業との打ち合わせでは日本橋方面、ランチになると京橋や銀座方面にも足を伸ばします。
そんなトニーさん、最近はジム通いが習慣になったそう。同僚のスティーブさんがトレーニングを始めたことをきっかけに、一緒にフィットネスジムに入会しました。
「30代を迎え、健康を意識する機会が増えました。1人だとなかなか頑張れませんが、2人で通うと効果がありますね」。
今では、朝と夜の1日2回、週6日のトレーニングを行うようになりました。退勤後、会社が入る東京スクエアガーデンから築地にある会員制ジムまで約15分かけて歩いて向かいます。
努力の成果が実り、持ち上げられるウエイトはなんと180キロに! 1時間ほど汗を流した後で、炭水化物を控えて肉や野菜などの夕食をとるそうです。
6月に東京スクエアガーデンと京橋エドグランの共催で行われた「第1回 京橋綱引き大会2019」では、優勝の有力候補と言われていましたが、結果は惜しくも準優勝。
「今から準備していますから、来年こそは絶対に勝ちますよ!」と、トレーニングへの気合いがますます入ります。
以前はたくさん飲んでいたというお酒は、たまの楽しみに。会社付近のクラフトビアバル「IBREW WIRED(アイブリュー ワイアード)」がお気に入りだそう。
「IBREW WIREDは会社の同僚もよく利用していますし、ビル内の別の会社の方に挨拶することも。京橋は、ビジネスと文化のアクセスポイントですね。ワークライフバランスを大事にするなら、こんなに便利な場所はないですよ」。
エンワールド・ジャパン株式会社
住 所: 中央区京橋3-1-1 東京スクエアガーデン 12階
WEBサイト: https://www.enworld.com
IBREW WIRED(アイブリュー ワイアード)
住 所: 中央区京橋3-4-1 TM銀座ビル 1階
WEBサイト: https://www.facebook.com/craftbeerbaribrewwired
執筆:森夏紀、編集:松尾奈々絵(ノオト)、撮影:小野奈那子