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〈さんかする〉イベントレポート
Event report

|2019.09.24

京橋のアートイベントめぐり。平面から立体へ、建築から都市へ。

8月24日(土)、夏の終わる気配がかすかに漂い始めた京橋で、ふたつのアートイベントを見て回りました。


アートイベント「TOKYO 2021」 建築展「課題『島京2021』」

ひとつ目は、2021年に創業140周年を迎える戸田建設株式会社がアーティストや建築家らと手掛けるアートイベント「TOKYO 2021」。アーティストの藤元明氏の企画(企画アドバイザー:建築家・永山祐子氏)による本イベントは、解体前の本社ビル「TODA BUILDING」を会場に、「建築展」と「美術展」のふたつの展覧会を通じて、2020年東京オリンピック・パラリンピックの先に東京がどこに向かうのかを考える、注目のイベントです。

筆者が訪れたのは建築展「課題『島京2021』」の最終日。本展は、様々な地区で再開発が進行中の東京を島の集合体「島京」と捉えることに始まり、「島京」化の歴史を読み解きながら、新たな「島」スケールの開発プランを議論するプロセスを公開するというもの。建築家である中山英之氏がディレクション、課題作成を藤村龍至氏が務め、公募によって集まった大学生を中心とする参加者と建築家たちによる「考える現場」そのものを見せるユニークな空間構成となっていました。

会場の床や壁は、議論のプロセスが分かるスケッチや模型、年表等で埋め尽くされている

最終日にはひとつに統合したプランを発表。ゲストを招いて批評し合う公開討論会が行われた

一方、黒瀬陽平氏がキュレーションを務める美術展「un/real engine - 慰霊のエンジニアリング - 」は9月14日(土)から10月20日(日)まで開催。詳細はこちらのページで紹介されています。


アート&クラフト市 建築知育玩具「KUMICA」ワークショップ

TODA BUILDINGを後に向かった先は、ほんの目と鼻の先にある東京スクエアガーデン。お目当ては、毎月1回行われている「アート&クラフト市@TOKYO SQUARE GARDEN」の中で「TOKYO 2021」連動企画として開催されていた、組み木の建築知育玩具「KUMICA(クミカ)」のワークショップです。

体全体を使ってダイナミックにつくって遊べるのがクミカの魅力

クミカはスリットが入った木版のパーツを組み合わせて、立体を作るおもちゃ。Drawing Heads Fukuoka一級建築士事務所と、福岡を拠点に横断的な分野でものづくりを行うクリエイティブ集団anno lab(あのラボ)によって共同開発され、子どもたちはクミカで遊びながら平面から立体への構造の変化を学ぶことができます。当日は、あのラボのメンバー自らが子どもたちにクミカの遊び方を伝授。他方、子供たちの自由な想像力から生まれる予想外の組み上げ方にメンバーが驚く場面も。集中して作品に取り組む子どもたちの姿は微笑ましくもあり、頼もしくもありました。

この日の京橋は、まさに子どもから大人まで思い思いの形をつくり出し、建築やまちづくりに思いを馳せる一日となりました。


<イベント概要>
「TOKYO 2021」とは
建築と現代美術の分野で活躍するアーティスト・クリエイターたちが東京という都市の過去を新しい視点で検証し、未来の発見をしていくアートイベントです。

会期:  建築展 8月3日(土)〜24日(土)、美術展 9月14日(土)〜10月20日(日)
会場:  TODA BUILDING 1階 (中央区京橋1-7-1)
WEB: http://www.tokyo2021.jp
 

「アート&クラフト市」とは
出展する作家は毎回100名以上。丁寧に手作りされた雑貨やアクセサリーにひとつとして同じものはありません。心の琴線に触れるものとの出会い、それを生み出す人との出会いをお届けします。

開催日: 毎月第4土曜日
会場:  東京スクエアガーデン(中央区京橋3-1-1)
WEB: https://www.aozorakoten.com
※クミカワークショップは特別に企画されたもので、通常のイベントでは開催しておりません

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