東京メトロ銀座線のリニューアルに伴い、
株式会社髙島屋から東京メトロに寄贈された大型パブリックアートが7月1日(水)から公開されています。
時を超えて、日本橋の街の歴史を感じられるアート
地下鉄の駅の壁面で明るく目を引くこの作品。
大型ステンドグラスの中に、商業の街として発展を遂げてきた「日本橋南詰」の街並みが、“江戸”から“現代”までの時空を混在させて描かれています。
原画・制作監修を務めたのは、日本の伝統的絵画の様式を用い、人物や建築物などを緻密に描き込む作風で知られる画家の山口晃氏。約3年もの時間をかけて描き下ろされた原画は、まるで過去と現代を行き来しながら旅をするように街を眺めることができます。
細密に描かれた街並みには、江戸時代の屋敷や木造の日本橋、首都高速道路に高層ビル群など、 それぞれの時代の象徴的な建物が見つけられます。また、所々に山口氏のユーモアあふれる仕掛けも。
緻密な作品の中に散りばめられた仕掛けに、時間を忘れて見入ってしまいそう。
時代の変化を感じながら、日本橋の歴史に想いを馳せたり、未来の良き街並みを想像したり…。
様々な視点で眺められるので、一人でも、誰かと見ても、発見があるアートです。
原画の世界だけでなく、ステンドグラスの製作にも時の重なりが感じられます。
作品は約75種類・1182ピースのガラスで構成され、山口氏による徹底的な監修のもと、「クレアーレ熱海ゆがわら工房」の職人6人が約1年をかけて製作されました。
精緻で独創的な世界観をステンドグラス作品として表現するにあたり、場所によっては太さ1mmにも満たない線を描いたり、15回も焼き重ねて色を出したりした箇所もあるそう。
繊細な線と、ステンドグラスの素材感で、原画の世界が見事に表現されています。
今、自分が歩いている現代の街並みと過去や未来の街を重ね合わせることができるこのアート。
髙島屋にも直結している日本橋駅B1出口付近に設置されているので、お仕事やお買い物の合間に訪れることもできます。
作品を見た後は、時を超えてタイムトラベルするように、歴史に思いを馳せながら日本橋のまち歩きを楽しんでみては?
■題名:日本橋南詰盛況乃圖
■原画・制作監修: 山口晃 氏
■設置場所:東京メトロ銀座線「日本橋駅」B1 出口付近
■規模・仕様:縦約2.1m×横約6m、 LED内蔵のステンドグラス
■協賛:株式会社髙島屋
■ステンドグラス製作:クレアーレ熱海ゆがわら工房
■企画・制作:公益財団法人 日本交通文化協会