中央区観光協会が毎年行っている『わくわくツアー』では見る・知る・学ぶをテーマに中央区のまち歩きを行っています。地域ごとに歴史スポットや名所・旧跡を巡る「文化コース」、老舗・企業の歴史や魅力などを聞きながら巡る「産業コース」、名所・旧跡の案内、老舗等に立ち寄り店舗の歴史も聞ける「まち歩き産業コース」と3つの分野の24コースが用意され、まちのことをよく知るガイドさんが案内を務めます。
この記事では、7月26日(木)に開催された産業コースの「日本橋老舗巡り“北詰編”その2」に実際に参加し、歩いて知った中央区の魅力をご紹介します。
老舗巡り1件目は日本橋室町一丁目にあるカステラの「文明堂 日本橋本店」です。文明堂は明治33年に中川安五郎氏が長崎で創業。大正11年に東京上野へ進出し、昭和26年に日本橋にお店が設立。
カステラは1550年頃ポルトガルから伝来した「パンデロ」や「ビスコチョ」がルーツといわれています。油脂を使わない、室町時代よりすでに日本で製造されていた菓子の為、和菓子に分類されます。
店員さんがおすすめする「特選ハニーかすてら吟匠」の試食は今回のツアーの特典のひとつ。卵黄の割合を多くしはちみつを使うことで、柔らかな口どけを実現した、文明堂が誇るカステラを味わいました。
ちなみに、お馴染みのテレビCM「カステラ1番 電話は2番 3時のおやつは文明堂♪」に出てくる小熊の人形は、海外の人形作家がもともと猫のつもりで製作したため、尻尾にその名残があるとか。皆さん、ご存じでしたか?
2件目の老舗は日本橋室町二丁目のCOREDO室町1の1階にある「にんべん 日本橋本店」へ。
にんべんの創業は1699年(元禄12年)、初代の髙津伊兵衛が三重県から上京し、20歳の時に日本橋のたもとで戸板を並べ鰹節と塩干ものを売り始めたことに端を発します。屋号であった「伊勢屋伊兵衛」の"”から江戸の町民達に「にんべん」と呼ばれるようになり、それが現在の社名になったそうです。
町民から親しまれ商売を拡大していったにんべんは、その長い歴史の中で、日本最古と言われている銀製商品券を考案し、発売。店内にはレプリカの商品券が展示されています。
また、鰹節は世界一堅い食品とギネス記録に認定されています。削られているパックの鰹節が主流となり、家庭ではほとんど使われなくなった一本物の鰹節(本節)ですが、やはり鰹節は削りたてが一番香りも風味も豊かということで、今回のツアーでは懐かしの鰹節削り器で削り体験を実施しました。
最後に伺ったのは、日本橋室町一丁目にある「山本海苔店 本店」です。
1849年の創業時から同じ場所に本店を置き続け、1965年に現在の本社を建設。併設された、車に乗ったまま海苔を買うことができるドライブイン(日本初といわれるドライブスルー、現在は閉鎖)は、当時大きな話題となりました。
山本海苔店の海苔は大半を有明海産のものを使用しており、柔らかく口どけが良いのが特徴。日本橋本店では、焼きたて海苔の実演販売を行っているほか、ハローキティとコラボした限定の「海苔ちっぷす」も人気とのこと。
また、山本海苔店といえば、テレビやポスターなどに登場する女優の山本陽子さんを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、山本海苔店のイメージタレントとして、「専属モデル契約年数」世界最長のギネス記録に認定されているそうです。
歴史ある老舗が立ち並ぶ中央区という立地を生かした『わくわくツアー』。
これだけ豪華なお店巡りは、他の場所ではなかなか考えられませんね。
古くから続くまちと歴史、老舗ならではのこだわり、ちょっとした小話なども新鮮で、もっとまちに興味が湧き、好きになる企画でした。
『わくわくツアー』は11月27日まで様々なまち歩きイベントなどを行っており、まだ募集を受け付けているコースもありますので、ぜひご応募ください。
中央区観光協会では、区の養成講座を修了した中央区文化財サポーターによる、「まち歩きボランティアガイド」もあります。
3名以上のグループで申し込みできるそうなので、こちらも要チェックです。
<イベント詳細>
日 時:2018年7月26日(木) 10:00~12:00
参加費:各コース お一人様500円
コース:産業コース(日本橋老舗巡り“北詰編”その2)
主 催:一般社団法人中央区観光協会
協 力:中央区文化財サポーター協会・中央区観光協会特派員
イベント詳細PDF
詳細・お申し込みはこちらから >> 外部サイトへ移動します
まち歩きボランティアガイドの詳細はこちらから>> 外部サイトへ移動します
株式会社文明堂東京: https://www.bunmeido.co.jp/
株式会社にんべん : https://www.ninben.co.jp/
株式会社山本海苔店: http://www.yamamoto-noriten.co.jp/